バレーボール指導ブログ

バレーボールの練習について発信します

サーブ強化練習

 今回はサーブです。サーブはバレーボールにおいて唯一相手に邪魔をされず、自分のタイミングで攻撃できる手段です。サーブでの得点(サービスエース)は戦況を一気に変えることができます。サーブの練習は必要不可欠になります。体育の授業でもサーブが入らないと授業後半の試合で盛り上がりにかけます。

 

1.サーブ強化のポイント

 サーブで重要なことは「スピード」「コース」「高さ(軌道)」の3つです。練習ではここにこだわって打ってほしいです。

 「スピード」:速い方が相手が反応する時間がないのでより速い方が良いです。

 「コース」:いくら速くても正面では取られてしまいますので、人と人の間やライン       

       際、相手チームの返球率が低い選手を狙ったりする。

 「高さ(軌道)」:山なりのサーブはスピードも出ないし、相手も取りやすいです。

          理想はネットすれすれを狙う。

 

2.練習方法

 ・スピード強化

 コートの端から相手コートの壁まで届かせるように強く打つ練習です。力強く打つことを目的としています。壁までを目的としているので、安全面では一方通行で打つのが良いです。

 ・コース強化

 以前紹介したコートを9分割して自分が意図する場所に打つ練習です。

 この番号はコートのゾーンを指します。打つ前に番号を指定して打つとコースをより意識した練習になります。チームの作戦も番号で共通理解できるので是非覚えてください。

 体育の授業で技能のテストをする際に点数をつけやすいです。9マスそれぞれに得点を決め、落ちた場所がその生徒の得点にする。宣言した場所なら加点等すれば評価をつけやすいです。

 

・高さ(軌道)強化

 目安としてはアンテナの間を通すです。緑でマークしている部分を通過させるようにしてください。アンテナとアンテナをゴム紐等で結ぶとより狙いやすい練習になります。

3.指導するときのポイント

 サーブはトスが重要です。安定して入らない子はトスが安定していません。トスが安定すると目を閉じていても打てます。トスを下から放り上げると安定しませんので顔の前で少し上げる程度が安定します。打つ側の手も最小から引いておくと安定します。

ジャンプサーブはよりトスが重要です。ジャンプサーブは連続で何本も打てませんのでトスだけの練習もありです。落下地点に雑巾を置くなどあると分かりやすいです。Vリーグの選手もトスだけの練習します。

 

打つときに体の前でヒットできているかも重要です。体の上で打つと打つ時に上を向いてしまい、低いサーブが打ちにくいです。

 

4.最後に

 サーブはどんな選手、生徒にも可能性があります。全員が活躍できるプレーですので時間をかけて練習してください。戦術的なサーブやピンチサーバーについても紹介していきたいです。

 

 

 

声の必要性について

 練習中に声を出すように指導するがなかなか出ないことが多いと思います。そこで今回は「声」に着目して記載します。

 

1.声を出す意味

 まず、最初にあげられるのが練習の雰囲気が良くなって、動きが良くなるからです。周りから指示されたり、良かった時に「ナイス」等の賞賛の声があると次も頑張ろうと思えます。必死の声や表情は周りにも伝染して良いチームになります。WBCでの大谷選手やヌートバー選手の表情や声はチームを1つにしていましたね。

 他には、けがの予防です。試合中は必死になってしまいますので、声を出さないとぶつかってしまいます。ぶつかって転倒、骨折等もありますので「声」は必要なことです。

 選手や生徒は出しているつもりでも小さい声であったり、聞こえていなかったり、「声ではなく音」になっていることも多いでしょう。そこは必ず指摘しましょう。けがをしてからでは遅いですから。

 

2.どんなことを言えばいい?

 声を出さないといけないと分かっていても、実際にコートに入るとボールも動いているので出せないことが多いと思います。まずは、パスを出す前に「オッケー」、「はい!」等の自分が取る意思の声を出すようにしましょう。大切なのは”取る前に声”です。定型文でもいいので簡単な練習で声を出す習慣をつけましょう。相手に聞こえて意味があるので、連続で言う、語尾を強く言うなどの工夫をしましょう。

<フレーズ一覧>

・「オッケー」 ・「はい」 ・「チャンス」 ・「〇〇(名前)」 ・「いけっ」

・「あがった」 ・「アウト」 ・「イン」 

 

3.声を出すための練習

 大きい声を出すことに抵抗がある子もいます。そんな子が大きい声を出せるようになったら指導者としてはかなりうれしいです。一人では恥ずかしい子もいますのでチームみんなで出すのが良いです。

 

・ランニングで順番に声を出す。

・体操の号令係を順番にする。

・体育館の端から端で自己紹介やしりとりをする。

・普段の挨拶

 

 プレー中は目を合わせて会話することはできないので、日常会話ではないことを理解してもらう必要はあります。

"周りに聞こえるように、強く、短く"

 

4.最後に

 声は習慣にならないとなかなか出ません。出ていないと感じたらその都度、指摘する必要があります。声を出すことはしんどい練習において一番手を抜きやすいポイントでもあります。そのため選手や生徒は無意識のうちに声が出なくなります。出さないことが習慣になると直すのは大変なので、常に声を出し続ける習慣を作りましょう。

 「声を出しなさい」の指導では出しているつもりの子や、何て言っていいか分からない子には響きません。出しているつもりの子には、周りに聞こえていないことを伝えましょう。何を言っていいか分からない子には、その都度セリフを伝えましょう。最初は決められた言葉を発せられること大切に。

アンダーハンドパス 指導

アンダーハンドパスを指導する際に、「腕を振るな」、「足で運ぶんだ」と聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?指導者も指導が難しいポイントではあると思います。今回はアンダーハンドパスについて紹介します。

 

1.アンダーハンドパスが重要な理由

 バレーボールにおいて一見簡単そうに見えて最も難しいと言っても過言ではないです。しかし、サーブレシーブ(レセプション)、強打レシーブ(ディグ)等のレシーブすべてにおいて必要となります。質にこだわると高さ、方向、間などと追い求めると再現がないです。試合においても質の良いパスはアタックの決定率に大きく関わります。

 

2.指導のポイント

 指導のときに腕を振らず足で運ぶように伝えてもなかなか伝わらないですよね。そんな時は「ボールは卵や水風船が割れないように扱う」と伝えてみましょう。割れないようにするためには衝撃を吸収しますよね。そうすると腕を振ってボールを飛ばそうとはしなくなるはずです。しっかり返球する意識があると飛ばそうとして腕を振ってしまいます。意識は常に腕に乗せて運ぶです。

 もう一つは、ボールの回転です。相手に向かって回転していませんか?初心者や腕を振っている人はパス相手に向かって回転しているはずです。良いパスは相手に向かって逆回転で1周から2周するかぐらいの回転で飛んでいます。腕を振ると腕の上でボールが転がってしまい順回転(ドライブ回転)します。しかし腕に乗せて、足で運ぶと体が前に出るので逆回転(バック回転)します。

 

悪い例

良い例


・「ボールは卵や水風船がわれないように扱う」

・ボールの回転は逆回転

 

3.練習方法

 毎回の練習で必ずしているであろう、パスの練習前に意識するポイントとして伝えてみてください。選手、生徒自身でできたできていないが分かりやすいのでおすすめです。ほかには、自分で直上にあげてバスケットゴールを狙う練習です。ボードに当たって入るのはなしです。上から落として入れることがポイントです。競争するとゲーム性が出て盛り上がります。

 

4.最後に

 毎回どれだけ意識して取り組めるかが大事です。選手、生徒だけでは難しいため、毎回声かけしてあげてください。自然とボールの下に入って運ぶパスになります。

パス一つで戦況、授業の盛り上がりかたは変わってきます。根気強くやってみてください。

 

※細かく言うと、強打レシーブ(ディグ)の方法とはつながりませんが、、、

 

ミニゲーム

今回はアップなどに入れると効果的なミニゲームを紹介します。簡単なものや少し工夫すると体育の授業でも活用できます。

ミニゲームは楽しく体を温めることとボールコントロール力を高める練習です。

積極的にボールに触ることできる雰囲気を作りましょう。コミュニケーション力も高めることができます。

 

1.練習前の準備

 まず練習前にコートにラインを追加する作業ができたらミニゲームがやりやすくなります。ミニゲームだけでなく常にコートの感覚を意識して練習できますので、是非引いてください。体育の授業でも、指示が出しやすくなります。生徒たちも具体的な指示の方が分かりやすいです。

 

コートを9分割できるように引いてください。コートは1辺9mですので3×3mのマスが9個できます。

 

 

2.ボール2個 ワンタッチゲーム

ボールを2個使い、ワンタッチ(1回)で返すゲームです。

<手順>

1.チームを半分に分ける。

2.オールコートで自由に守る。

3.スタートはお互いにアンダーサーブや手投げ

  タイミングをそろえて

4.落としたり、相手コートに返すことができなかったら相手に1点

<ポイント>

・ボールが2個あるので周辺視野

・状況判断

・誰が取るかの声かけ

 名前で指示するのが良い〇

 「お願い」だけ×、急に避ける×

※簡単になってきたらミカサ、モルテンの2個でミカサはオーバーパス、モルテンはアンダーパスに分ける方法もある。

3.1VS1(3×3m)

1VS1でコートが狭くなった以外は通常のルールと一緒です。

<ポイント>

・2球目でネットに寄せて、3球目で攻撃するのがポイント

 離れてしまったら強く返せない。

・相手のトス状況を見て、ブロックを跳ぶかどうかの判断をする。

・ネット上の押し合いで点を取れるように。

 先に力強く押して押し込むor相手が押してきたのを押し返す

・相手との駆け引きが重要

 

4.3VS3(フロントゾーン)

3VS3でコートはフロントゾーン(ネット際の3×9m)、ルールは通常のもの。

<ポイント>

・セッター役がネットに寄せる、スパイカーが攻撃しやすい。

 強打、軟打、フェイント等の選択肢が増える

・声かけをしないとお見合いで落ちることがある。

 指示の声かけを意識。

 

※人数が多いチームはローテーションしながら休みの選手があっても良い

 ポジションもローテーションした方が技術が上がる。

 

最後に

注意点:楽しい雰囲気になりやすいので、このあとに厳しくするのは難しい。

    練習の構成を考えて取り入れてください。

 

ミニゲームはこのほかにも多くあります。コートの大きさ、人数、触る回数等の工夫で簡単にも難しくもなります。是非、色々な方法で試してください。

最初は上手くいかないかもしれませんが、やっていくうちに確実に上手くなります。

大事なのは失敗を恐れない!

その雰囲気を作る必要がありますね!

 

体育の授業ではコートが小さい、人が少ないのは苦手な生徒たちも積極的にボールを触りやすい環境になります。

 

 

 

練習計画

 初めまして。このブログではバレーボールの練習方法や考え方について発信していく予定です。バレーボール部の顧問になられた方や授業でバレーボールを取り扱う際の参考になればと思います。指導者だけでなく、選手の皆さんも参考にしてください。

 

私自身も競技を続けていますし、元教師のため指導した経験もあります。その時の体験も交えて、記載していきます。

 

1.目標は決まっているか

 ・まずはじめに、チームの目標は決まっています?

 全国大会優勝から1回戦突破と目標は幅広くあると思いますが、具体的に決めましょう。なんとなく練習をしていてもなんとなく練習は終わってしまいます。こうなりたいとチームで統一したほうが練習のモチベーションはあがります。大事なのはチームで統一することです。勝つことよりもみんなで楽しくするも立派な目標です。

 

2.練習計画は逆算で

 ・目標はいつまでに達成する必要があるのか?

次の大会?最後の大会?どこを最終目標にするかで、まずゴールが決まります。

その大会に向けて残り何か月あるのでしょうか?練習試合等は何回組めるのかをまず数えてください。大会前日にハードな練習はなかなかできないと思います。ではいつしますか?ハードな練習はけがのリスクも伴いますので理想は1か月前でしょう。

このように大まかな予定を把握して、基礎練習なのか全体練習なのかトレーニングなのかを決めていきます。

 

 

3.具体的な達成基準は?

・目標を達成した成功体験を味わう!

目標はチームや個人によって様々だと思います。大事なのは成功体験です。成功体験は次の意欲につながります。例えば、初心者の人は、「サーブを10本連続で入れることができるようになる」といったものはどうでしょうか?10本でなくても構いません。5本からで大丈夫です。大事なのは具体的な数字です。達成したことが分かりやすいです。

他は練習試合でのアタック決定率、サーブレシーブ(レセプション)返球率、サービスエースの本数等が挙げられます。

 

4.今週、今日の練習メニューの決め方

・今なにをやるべきなのか?

いつまでに、何を、どうする(達成基準)、が決まりました。アタック決定率を目標にして、サーブの練習ばかりはしませんよね?何を中心に練習するべきか見えてくると思います。練習をすることは疲労が蓄積することも頭に入れておかないといけません。けがをしたら元も子もないですから。

決め方としては、先に1週間の練習メニューの大枠を決める。

当日、選手の疲労状態に応じて、メニュー変更か強度を落とすか決める。

 

 

ざっと、おおまかに書きましたが、バレーボールに限った話ではありませんが目標と成功体験は生徒、選手のやる気を引き上げます。計画を立てて練習ることは、あとから振り返りもしやすくなります。なぜ達成できた、なぜ達成できなかった等を振り替えてください。

次回以降はもう少し詳しく書いていきます。