バレーボール指導ブログ

バレーボールの練習について発信します

ラリーで得点をとるために

 試合で勝つためには、サーブレシーブからの攻撃だけでは勝てません。ラリーで点を取る、点を上げないことが重要になります。今回はそんなラリーで点を取るために大切なことを紹介します。

 

 

1.ポイント

 ラリーで点を取るために必要なことは移動を速くして準備することです。相手コートにボールが入ったら、すぐに自分のポジションに戻るようにしてください。相手がスパイクで返してくる保証はないからです。ワンやツーで返ってくることもあります。準備ができていないと落としてしまいます。また、ブロック位置に早く戻ると相手を観察する時間も増えて、対応しやすくなります。理想は1球目を相手が触る前にポジションに戻ることです。スパイク後等は難しいので、実際はセッターがトスを上げる前にポジションに戻ることが目安です。6人全員がしっかり戻ることができて、ディフェンスが完成しますので、早く戻るように習慣付けてください。

 

2.練習法

 まずは、対人や3人レシーブ、シートレシーブ時にすぐに元の位置に戻る習慣をつけましょう。フライング後やコート外までボールを取った後にすぐに戻るように声かけをして指摘するようにしてください。

 2つ目は、チーム練習の1つとして、1本目はサーブレシーブからの攻撃、2本目は相手の攻撃をレシーブしてからの攻撃です。1本目を打ち終えたらすぐに2本目に移るようにしてください。そうすると早く戻らなければならないので、早く戻る習慣がつきやすいです。大切なことは早く戻ることですので、最初は戻るのを少し待ってから2本目を入れるのもいいです。徐々に早くしてより早く元に戻れるようにしてください。このときに2本とも決めたらローテーション等の設定をするとより、スパイクを決めにいこうとしてよりよい練習になります。

 

3.さいごに

 バレーボールのラリーは続いても30秒ほどです。30秒間動き続けられる体力が必要になりますのでそのトレーニングは必要です。試合後半では体力がなくて戻りたくても戻れないこともありますので体力トレーニングも忘れないでください。短時間、高強度のトレーニングです。お勧めはタバタ式トレーニングです。20秒間の高強度の運動(例ダッシュ、スクワットジャンプ、サイドステップ等)を8セット、レストは10秒です。バレーボールのラリーと次のサーブまでの時間に近い時間です。

 今回の内容はチーム内の意識の問題です。ボールを触ったものではないので、コートの中にいるとなかなか実感にしにくいものです。コート外から見ている指導者が指摘してあげてください。

 

 

 

チャンスボールについて

 今回はチャンスボールについてです。チャンスボール時の隊形を意識して守っていますか?サーブレシーブやスパイクレシーブ時はポジションに守っていると思いますが、チャンスボール時は決まった場所を守っていないことが多いと思います。それでも基本的には成立しますから。しかし、チャンスボール時のお見合いやぶつかることもあると思います。それを防ぐための隊形を紹介します。

 

1.チャンスボール時の隊形

 とても簡単です。チームのレシーブ隊形はそれぞれだと思いますが、前衛の3人が真っ直ぐ下がるようにしてください。打つためにすぐにコート外に開いたり、ミドルの選手もクイックに入るために斜めに下がったりせず真っ直ぐ下がってください。

              良い例

              悪い例

 まずは、ボールを取ることをチームで徹底しましょう。スパイカーは真っ直ぐ下がってから打ちに行くようにしてください。この時に大切なことは移動を早くすることです。相手が返球する前に隊形を作ってください。

 

2.練習法

 ラリー中のプレーになりますので、意識せずともできるようにならないと試合ではなかなかできませんので、反復して練習してください。

 ブロックの位置から真っ直ぐ下がって、自分でパスを取り打ちに行く練習をまずしてください。これで動きを覚えたら、コートに6人入ってゲーム形式で行ってください。

前衛はブロック位置、後衛はレシーブ位置について合図で移動してチャンスボールを取って攻撃してください。あとは、ゲーム形式や練習試合でできるようになったらOKです。ラリー中は自分たちで気付きにくいので外か見て評価してあげてください。 

 

<注意点>

 ・真っ直ぐ下がっているか

 ・自コートにボールが入るまえに下がり終えているか

 ・後衛の選手は前衛の選手と被らないところに入る

 

3.さいごに

 チャンスボールをもらってのお見合いやぶつかる等のミスは非常にもったいないので、6人の動きをしっかり決めて、得点を取れるようにしてください。素早く隊形を作り、リベロ等の攻撃に参加しない選手が声を出して、ボールを取り攻撃するのが理想です。声が聞こえてから、スパイクの助走位置に開くようにしてください。隊形に着くのが遅いのは、組織的に動きにくくなる原因ですので、ボールが落ちなかったから良いというわけではありませんので指摘してあげてください。

サーブレシーブについて

 今回はサーブレシーブです。レセプションと言ったりすることもあります。以前サーブレシーブの数字について書きましたが、達成するために必要なことを紹介したいと思います。

 

volleyball-practice.hatenablog.com

サーブレシーブの安定が良い攻撃のリズムを生みます。しかし、すぐに上手くならなく、ミスが失点になりますので、ミスしたときの声かけがとても重要になります。ミスを嫌がるとお見合いが増えますので、触りに行ったことを褒めましょう。

 

 

1.サーブレシーブのポイント

 サーブレシーブで重要なことは目線です。身体が上下すると目線が動いて、ボールが早く感じたり、動いて見えますので体を上下させないようにしてください。目線を変えずに移動する必要があります。2つ目は落下点に正確に入るです。落下点に入らなくても手だけで返すこともできますが、このボールはセッターがトスを上げにくいです。正面に入って腕で面を作ってセッターに向けるようにしてください。無理やり返すことがないようにしてください。腹を切る動作にならないようにしてください。

 

・目線は上下しない

・落下点に正確に入る

・面をセッターに向ける

2.練習法

 最初はフォームを作るために、短い距離で緩い球で形を作っていきましょう。ネットの下から相手を見るのが低く構える目安になります。落下点に正確に入るためにへその前でボールをキャッチする練習があります。他にはバケツやコーンを使ったりもできます。それができるようになったら、へその前で腕を組んでレシーブするように移行していきましょう。フォームが安定してきたら、距離を延ばしたり、強い球を打つようにしましょう。距離が延びても球が強くてもやることは一緒です。

 

3.さいごに

 サーブレシーブはたくさん受けることによって上手くなります。毎回の練習で時間を使って取り組んでください。オーバーパスで返球できるように練習もしておいてください。絶対にセッターに返す必要なはいです。セッターも多少ずれてもカバーできます。そのために面の向きには注意してください。無理やり返そうとしたボールはカバーしにくいので、腕を振ることがないようにしてください。サーブレシーブの練習では打つ人が重要です。指導者が打ってもいいですが、選手や生徒自身が打てるようになるとサーブの練習の基礎となりますのでよりいい練習になります。

ボールコントロール力が差を分ける

 今回はボールコントロール力についてです。強いチームと弱いチームの差はボールコントロール力と言っても過言ではないです。身長が高いとかスパイクが強いも大切ですが、それ以上にボールコントロール力が高い6人が入っているチームの方が強いです。

 

 

1.ボールコントロール力とは

 まず、ボールコントロール力とはどれだけ意図的にボールを扱うことができるかです。触ることができるけど、どこにボールが飛んでいくかわからないのはボールコントロール力が低いです。高さ、長さ、落下点等を自在にコントロールができ、オーバーパス、アンダーパスだけでなく、片手や足でもコントロールできるほうが良いです。競技特性上ゆっくり狙うことができないので、咄嗟に手を出したボールが意図したところに飛んでいないといけないのです。

 

2.ボールコントロール力を上げるためには

 練習の中でどれだけボールを触るかが重要になってきます。ということは、練習でボールを見送ることは絶対にあってはならないのです。届かないボールやギリギリのボールを触ろうとして、その回数がボールコントロール力を上げるために必要です。練習では触りに行く習慣をつけるように声かけをしてください。練習のなかで、ギリギリのボールを触る機会を意図的に作り出すのは難しいので以下に練習方法を紹介します。

 

3.練習方法

 片手パス

 片手でパスです。両方の手でできるようになりましょう。最小は近くても良いですが少しずつ、距離を長くしたりネットを挟んで高さを出したりしましょう。

 

 ランニングパス

 オーバーパス、アンダーパス、片手でもできるようになりましょう。距離をしっかり確保して練習するようにしてください。落としたくないので、少しずつ近寄ってしまいますので、その都度は離すようにしてください。

 

 直上パス

 移動できる範囲を指定して、1人で真上に上げてオーバーパス、アンダーパス、片手をします。これも高さを自在にコントロールできるようにするために、低い、高いを交互であったり、低い、低い、高いなどと工夫して練習しましょう。立った状態で初めて、パスをしながら座ったり、寝転がったりして再び立ち上がるのを落とさずに行うなどの工夫もできます。他には右足→右手→右肩→頭→左肩→左手→左足と順にパスをしたりもあります。

 

 1人ランニングパス

 走りながら直上パスです。普通に前を向いて走るのではなく、バック走やサイドステップしながらやりましょう。

 

 ミニゲーム

 過去のブログで紹介したミニゲーム等があります。

 

volleyball-practice.hatenablog.com

 

4.さいごに

 個人の感覚の部分がとても大きいので指導が難しいですが、練習のなかで「ボールを落とさないぞ」という雰囲気、環境を作るようにしましょう。咄嗟に触ったボールがつながるようになります。さらにレベルがあがると、フェイント、スパイクのコースもより正確に狙えるようになります。そうすると、身長は低くて強いスパイクは打てないが点を取ることができるようになります。

 

 大切なのはボールを触る回数、意図をもってボールを触る、簡単に落とさないです。

 

 

 

スパイク、サーブ動作について

 今回はスパイク、サーブで必要となる腕を振る動作についてです。初心者でも元サッカーぶ野球部の生徒の方が上手だったり、授業でも野球部の生徒の方が上手なことが多かったです。それは、ボールを投げる動作が定着しているからです。スパイク、サーブにつながる投げる動作について解説します。

 

 

1.ポイント

 投動作において重要なこと

・肘を肩より高い位置を通す

 特に女子は横から投げたり、肘が下がって腕を振って投げられないことが多いです。

 

・投げる方向に対して、横向きから体の回転を使う

 体幹を捻る方が力が伝わります。招き猫のような動作にならないようにしてくださ 

 い。 

 

体重移動

 手だけで投げてしまうことがないようにしてください。踏み込む足は大きく前に出すようにしてください。 

 

・全身を使って連動させる

 体幹のねじり、腕を振る力、手首と順に動き流れる動作を覚えるようにしてください。ぎこちない動作は上手く伝わっていません。

 

・利き手ではない方の手をしっかり上げる

 投げない手で投げる方向を指して、体が開かないようにしてください。開くと体幹をねじる力が出にくいです。

 

 

 

以上5つが重要になってきます。イメージは野球のピッチャーです。ボールを握って、確認できるキャッチボールができないと、ボールが動いているので打つのは難しいです。

 

2.練習法

 ボールは小さい方が良いです。バレーボールは大きく投げにくく、手のひらに乗せて、担いで投げる癖がつきますので野球ボールやテニスボールをお勧めします。まずはフォームが大切ですので、近い距離で確認しながら行いましょう。力任せに投げると、理想なフォームとは違う癖が出てしまいます。最終的には連動ですが、最初は肘を上げるだけとか、足を大きく開いて体重移動でボールを投げたり、部分を切り取って練習した方が意識しやすいです。場所の確保ができるなら、外で長い距離を投げることも有効です。身体全身を使って投げることを覚えます。

 

3.さいごに

 ボールを投げるのが上手になれば、スパイク、サーブにつながります。現在、サーブが届かない安定して入らない人は是非試してください。すぐに効果は出ないですが、根気強く練習しましょう。練習しないと獲得できない動作でもあります。日常生活で行わないためです。練習の中で時間を確保しないとなかなか獲得できませんので、練習に取り入れてください。

授業でのバレーボール 第2回

 今回も授業で使えるバレーボールの練習について記載します。前回でも書いたようにバレーボールの楽しさはラリーが続くことです。基本動作のアンダーパスやオーバーパスの練習は必ず毎回するようにしてください。

 

 

1.工夫ポイント

 ネットの高さ

 授業ではだいたいネットは低くして行うことが多いと思いますが、何故低くするのでしょうか?スパイクが打ちやすかったり、相手コートに返しやすいからだと思います。しかし、反対に鋭いボールがかえってきますので、レシーブしにくいです。そのせいでボールが落ちることが多いので、スパイクがメインではないうちは、ネットは243cmでもいいと思います。これは高校男子以上のカテゴリーの高さで、生徒たちの経験にもなりますし。実際にやってみましたが高いネットの方がつながって楽しそうにしていました。

 

 人数

 いきなり、6人でゲームをするのは難しいです。誰が取るのかが分かりにくいのがバレーボールの特性です。ですので最初は、2対2から始めて少しずつ人数を増やすのがいいです。

 

 ポジション

 試合中の立ち位置を指定するとお見合いなどが減り、ラリーが続きます。

 これは、6人が入った1例です。セッター役(青〇)を決めて最初から前において、2球目は必ず触ると約束事を決めます。役割を指示すると生徒たちは動きやすいです。最終的には生徒たち自身で決めることができたらいいですね。

 

2.基礎練習メニュー

 バレーボールの難しいところはボールコントロールです。狙った高さ、方向に返すことです。ただ前に返すだけならできるのですが、狙うのが難しいです。ですので、2人の対面のパスだけでなく、3人で三角形や4人で四角形など狙う方向を工夫してみてください。また、落下点に入るのが難しいので、長い距離で練習もしましょう。近いとできても長くなると難しくなります。指示は細かく出してあげてください。床の線を意識させると距離が一定でできます。

 ・方向変換

 ・長い距離

 

3.さいごに

 続かないとどうしても飽きてきますので、続くことができる環境を作りましょう。パスのペアを指定するのも手です。上手い生徒同士にならないように。上手な生徒とやることがなによりも上手くなる秘訣です。

 

 

授業でのバレーボール

 今回は初めて、授業におけるバレーボールについて記載したいと思います。学校では集団行動や体力テストが終わり、次第に球技に移行していくと思います。教育実習も始まり、どんなことをしたらいいか分からない方は、是非参考にしてください。

 また、初心者が入ってきたチームの指導者も是非、参考にしてください。

 

 

1.バレーボールの楽しさ

 そもそもバレーボールはかなり難しいスポーツです。他の球技と違って、持ってはいけない、止めてはいけない、連続で触ってはいけない、3回以内に返さないといけない等制限が多いスポーツです。だからこそ、できたら面白いスポーツでもあります。何ができたら面白いのかというと、”パス”です。ラリーが続くことが面白いのです。それがないとただ痛いスポーツです。授業ではみんなで続けることを意識させてみてください。

 

2.授業で大切なこと

 体育の授業で1番大切なことは、”けがをしない”ことです。そうならないための予防策をすることが重要です。バレーボールを例にいくつか紹介します。

 ・ボールは蹴らない

 ルール上問題ないのですが、ボールを蹴る生徒を見逃すと、手は痛かったり、届か ないボールを蹴ったりする生徒が増えます。そうすると予想以上に強いボールが相手に行ってしまったり、ボールを飛び込んであげようとした生徒の顔を蹴ってしまうこともあります。1回目の授業のときに必ず「ボールを蹴ってはいけない」と伝えてください。

 

 ・スパイクを打つ時はネットの下をボールを転がさない、相手コートに人がいないこ  

  とを確認してから打つ

転がってきたボールにスパイク直後の生徒が着地のタイミングで踏んでしまうと大けがになりますので、絶対にないように。相手コートでよそ見をしていて、顔に当たることもありますので、いないことを確認してから打つようにしてください。

 

 他にもありますが、大切なのは先に言うことです。それでも生徒は大丈夫と思って約束を破ることもありますが、見逃さないようにしましょう。楽しいがエスカレートして遊びに変わったら、絶対にけがをします。

 

3.授業のポイント

 先ほどもあげたように、ラリーが続くことが面白いので、序盤はオーバーパス、アンダーパスの練習に時間を取りましょう。1分間パスしたら、パスの相手を変えてまた1分さらに1分と飽きにくくする工夫をしましょう。いきなりコートに6人入れると難しいので2対2でコートをバドミントンのネットで試合するのも面白いです。パスのみで行います。ボールをつなぐ、味方と協力する楽しさを教えてあげてください。失敗したい人はいないので、失敗したときはカバーして助け合い(愛)を伝えてください。

 

4.さいごに

 バレーボールは腕に直接あたるので、痛いから触りたくないと感じる子が多いです。ですので、授業前にボールの空気を確認するようにしてください。調節して授業に臨むようにしましょう。それでも、痛いと感じる生徒が多いので、すぐに空気を抜ける準備はしておきましょう。